まず、先週のイベントを振り返りましょう:
- EUR/USD. 月間予想の方が週間予想より、早く起こることがよくあります。今回もそうでした。30%の専門家だけが 週間予想でEUR/USD の上昇を予測していたことを思い出してください。月間になると、既に大半の60%でした。
私たちは7日前に株価指数とドルの関係のパラドックスについて話を始めました。昨年2月末のパンデミック発生で、逆相関関係が明白でした。: 金融刺激策(QE)、低金利、通貨安による米国経済の押し上げで、S&P500、ダウジョーンズやナスダック指数は上昇し、DXYドル指数は大幅に下落しました。そして、それは論理的でした。
そして、2021年になると,すべてが逆になりました。 良好な経済データーの背景や約2兆ドルの金融“ワクチン”の期待に対し、リスク感情や株価指数は上昇を続けました。しかし、平行して、長期国債利回りやドルが上昇しました。
覆された驚きは、それだけではありません。米国内の金融優遇措置や敏速なワクチン接種を基に、ウォールストリートジャーナルは、米国GDP予測を4.3% から4.9%に引き上げています。ヨーロッパでは、この逆になります: ワクチンの大幅な遅れ、EU諸国では、次から次へとコロナ対策を強化しており、ロックダウンの終わりの兆しが見えてきません。その結果、欧州委員会はユーロ圏の経済予測を3.9%に引き下げました。しかし、同時に、ユーロは上昇、米ドルは下落しています。
多くの専門家によれば、これはすべて、2021年末までQE政策を終了せず、2023年まで金利引き上げをしない米連邦準備制度理事会の長期政策に関するものだとしています。これは、アメリカだけでなく、主な中国人投資家などに対しユーロをリーズナブルな代替え通貨にさせるだけでなくEUを含めた世界経済の回復につながるべきでしょう。ヨーロッパに対する中国の関心は高く、選好が上昇を続け不変のヨーロッパ通貨需要を支えています。
結果として、1.2050で始まったEUR/USD は、100 ピップスまで上昇し、2月11日木曜日に週高値の1.2150に達しました。これに続いて修正が入り、1.2120で終了しました; - GBP/USD. 発表されたマクロ統計は、かなり矛盾しているように見えます。コロナウィルのパンデミック、投資削減、ブレグジット問題により、9.9%に縮小したイギリスのGDPは、300年以上の記録的な減少です。同時に、月次および四半期のGDPは予想を上回りました。2020年第4四半期のGDP成長率は+ 1%でした。鉱工業生産数値は予測より低いものでしたが、貿易収支は投資家を喜ばせました。
イングランド銀行の堅実な金融政策、プラスの金利、それにヨーロッパでは第一位、世界では三番目(イスラエルとUAEに続き)となるワクチン接種率もポンドに良い意味で影響しました。このレビューを書いている時点でも、国内人口の20.67%が既にワクチンを接種しています (米国接種率14.02%)。
大半のアナリスト(65%)も、イギリス通貨を支持していたことを思い出してください。主な予測では、1.3750のレジデンス突破に成功し、1.3800まで上昇し、25-50ポイント以上高くなる可能であるとしていました。そして、それは全て現実に起こりました: 週の高値は1.3865で固定、GBP/USDの終値は1.3850でした。 - USD/JPY. このペアの動きのほとんどは、日本側ではなく、株式指数並びに米国債利回りやDXYドル指数の動きによるアメリカ側に起因しています。先週も同様でした。
2月8日にDXY が91.21に上がると、USD/JPY は105.66に上昇しました。2月10日ドル指数の90.26に下落に続いて104.40の安値まで下げました。2月12日、DXYが90.71に上昇するとUSD/JPYは105.17に上昇し、それから僅かに下落しました: インデックスが90.39で、このペアは104.95でした。つまり、このペアの指標としてDXYを利用してみたければ、試してみましょう; - 暗号通貨. 2020年の終わりに、フォーブスは10億ドル超え資本の暗号通貨ビジネス富裕者代表リストをまとめました。トップ3は、CoinbaseのCEOであるBrian Armstrong氏が65億ドル、FTXの責任者であるSam Bankman-Fried氏が45億ドル、Rippleの共同創設者であるChrisLarsen氏が29億ドルでした。フォーブスは合計で、11人のビリオネアを示しましたが、1月から2月の暗号資産の価格上昇で、すでにビリオネアが増えている可能性があります。暗号通貨市場の時価総額が2021年の1ヵ月半以内に7,760億ドルから1兆4,520億ドルに87%増加したと言えば十分でしょう。
先週は、今年最も成功した週の一つでした。急騰はテスラが15億ドルのビットコインを購入したというニュースで始まりました。同時に、テスラの責任者イーロン・マスク氏は、近い将来、このブランドの車を暗号通貨で販売する予定があると述べました。2月8日、このニュースでビットコイン価格は23% まで上昇しました。
しかし、これで終わりではありません。世界的な決済大手のMasterCardは、今年の後半から加盟店で暗号通貨での支払いを始める計画を発表しました。その結果、2月12日金曜日の午後にビットコインは、48,930ドルに達し史上高値をさらに更新しました。BTCの時価総額は、その時 8850億ドルに上昇し、はじめてロシアのような大国の通貨供給量を超えました。
The Crypto Fear & Greed Indexは、 92 (1週間前は81)に達し、買われ過ぎ圏内です。同時に、BTC Dominance Index は、今年スタートして以来、70.36%から61.06%に下落しました。しかし、多くの専門家によれば、これはビットコインに対する投資家の意識の減少を示したものではなく、彼らの傾向がアルトコインへ高まったことだとしています。
つまり、シカゴマーカンタイル取引所(CME)は、2月8日月曜日にイーサリアム先物の取引を開始しました。初日は、3000万ドルに達し、建玉は2,000万ドルで、このトークンに対する投資家の安定した関心を示しています。ETH の資本は今年に入ってから32%まで上昇しており、2月12日時点で2,030億ドルを超えています。
ほかのトップコインは、前回のレビューで既に注目しているライトコインです。過去3か月で、LTC先物に対する建玉総額は285%増しの5億8,400万ドルになりました。また、暗号通貨市場の時価総額におけるライトコインの割合は非常に少ない(0.85%で8番目)ですが、ビットコインやイーサリアムに続いてデリバティブでは現在、名誉ある第3位を占めています。
今週の見通しに関しては、多くの専門家の意見の要約及び様々なテクニカルな方法とグラフ分析に基づき次のように言えるでしょう:
- EUR/USD. 来週は、週を通して、中国で新年を祝うため、かなりの取引量が世界的な市場で少なくなるでしょう。しかし、これはボラティリティの安定や縮小を約束するものではありません。現在ですが、投資家は岐路に立っています。1月の力強い急上昇の後、米国株式指数は徐々に持ち合いへと向かい買われ過ぎのようです。今のところ、連邦準備理事会による何かしら驚くようなことは期待されていないので、2月18日木曜日にある公開市場委員会のレポートは冴えない可能性が十分にあります。同じ日に、金融政策に関するECB理事会のレポートが発表されますが、総じて合理化されたフレーズでほとんど埋め尽くされている可能性が高いでしょう。そのため、EUR/USDの推進力は、大西洋の両側でのコロナウィルスのパンデミックとの戦いおける成功についてのニュースに再びなるでしょう。
専門家に関しては、60%が H4と D1のグラフ分析と同じく、このペアが1.2050のサポートまで下落することを予測しています。突破した場合、弱気勢力の次のターゲットは2月5日の安値1.1950になるでしょう。近似サポートは、1.2100 圏内。
40%のアナリストは、反対のシナリオを支持しています。 しかし、週次から月次予測へ移ると、強気支持者の数は60%にまで増加します。H4とD1における85% のトレンドインジケーターも緑です。しかし、両方のタイムフレームに関するオシレーターの読み取りは、分析できません: 赤、緑、およびニュートラルグレーの色が混在しています。近似レジデンスレベルは、1.2150。強気勢力のターゲットは、まず、このペアが1.2200-1.2300 圏内に戻り、それから、一月の高値である1.2350です。
今週の経済指標に関しては、既に述べた連邦準備理事会とECB理事会に加え、: 2月16日火曜日-ユーロ圏のGDPデーター2月17 日水曜日- 米国小売売上高 (-0.7% から + 0.7% の顕著な増加が予測されています)、週終わりの金曜日である2月19日は、ドイツ国内のMarkitの事業活動統計があり、EUで発表されます (ここでは特に注目しませんが、それでも成長が見込まれています);
- GBP/USD. 四半期ごとの1%のGDP成長率は、この国が不況から抜け出せる可能性があることを意味します。ワクチンの接種率の高さも、これに貢献しています (コロナの変異種に関する懸念はありますが)。ボリス・ジョンソン首相は、今月末、または2月22日にロックダウンを終了する計画を発表する予定で、イギリス経済の回復の見通しが明らかにされるべきでしょう。
ところで、アナリストの見解は次のようにわかれました: ポンドは、34週間での高値に達し、45%の専門家は上げ止まる時期であり、少し下げるという見方をしています。20% は、このペアが上昇を続ける見方を支持、残りの35%は中立の立場です。H4とD1に関するトレンドインジケーターの100% とオシレーターの75%は、H4におけるグラフ分析と共に、上昇を示し、ターゲットは1.3900 と1.3950です。オシレーターの残りの 25% は、このペアが買われ過ぎであるシグナルを出しています。
D1のグラフ分析に関しては、1.3865のレジデンスからのリバウンド、そして、まず、1.3700圏内のサポートに下落、それから、1.3630 と1.3575。
経済統計に関しては、2月17日に公表されるイギリスの消費者物価指数や2月19日金曜日のサービス部門の購買データーに注目するべきでしょう。; - USD/JPY. D1のグラフ分析は、その月のピボットポイント104.85に沿ったチャネル内のペアの動きを予測します。さらに、最初に105.75のチャネルの上値抵抗線へ上昇し、次に104.40の下値抵抗線へ下降するでしょう。H4の変動幅は、104.85 から105.30へと当然小さくなります
D1のトレンドインジケーターの75%が緑色になっていることを除けば、他のインジケーターとオシレーターの読み取り値はとても紛らわしくみえます。ほぼ、均等に分かれた専門家の意見から結論を導き出すことも難しくなります: このペアの上昇が40%、30%が下落、同じく30%が横ばいの見方です。
日本内閣が2月15日月曜日に公表する第4四半期GDPデーターが、予測された+2.3%と大幅に違えばUSD/JPY の短期間での何らかの影響を与える可能性はあります。; - 暗号通貨. 私たちは、2週間前にビットコインが$50,000に上昇する可能性があることに書きました。そして、2月12日の$48,930への上昇は、その月の見通しについて80%の専門家が支持した予測が正しかったことが明らかに判明しました。
ビットコインやほかの主なコインが暗号通貨市場全体を押し上げました。この人たちは、テスラ―、MasterCardの例に続いて、ニューヨーク証券取引所に上場しているほかのS& P500の企業がデジタル資産の使用準備をしているといった発表を楽しみにしています。 たとえば、バンク・オブ・ニューヨークメロンは、従来の金融資産に使用している同じ金融ネットワークを暗号通貨にも許可されるであろうと述べています。
すべてのアメリカ企業が、間もなく、テスラの例に従うということは、ブルームバーグのインタビューでMike Novogratz氏により言及されていました。ビリオネアによれば、これが年末までにビットコインを$100,000に上昇させるとしています。
長期的には、BTC/USD は$600,000の上昇可能性もあります。少なくても、これは、投資運用会社であるグッゲンハイム パートナーズの専門家の意見になります。同社の運用ディレクターであるスコット・マイナード氏によると、すべてはパブリックドメインのコイン数によるとしています。“暗号通貨は、非常に高額になる可能性があります。1コインにつき、$400,000もしくは、さらに$600,000について話しており... ビットコインは、機関投資家にとって正当な理由がないものとされていましたが、今は、すべてが変化しています” とマイナード氏は述べています。
専門家によれば、懸念は、この数週間での資産の急騰です。巨大な投資によりコインの価値を管理できる機関投資家の関与についての憶測は可能です。これまでのところ、ビットコインは、多額の預金者に引出されるとマイナス傾向へと逆戻りになる困難な状況です。グッゲンハイムパートナーズのディレクターによると、このようなことは起こりそうにないが、必ず考慮に入れる必要があると述べています。
NordFX Analytical Group
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